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2011年11月17日 (木)

成年後見と信託銀行

成年後見という制度は、平成11年民法改正等により創設され、
翌12年より施行されている制度です。
お年を召して意思能力が衰えたご本人をサポートするために、
成年後見人を家庭裁判所に選任してもらうというのが典型例です(法定後見)。
それまでの「禁治産制度」があまりに評判が悪かったことから、
ご本人の余生をより充実したものにするために、法改正された経緯があります。
しかし、後見人に選任された方が、ご本人の財産を使い込んでしまうという悪事があとをたたず、
とうとう、最高裁判所は、財産を「信託銀行」に預けてしまう、という
「後見制度支援信託」なるものを行おうと言い始めています。
信託銀行に財産を預けてしまい、出金には家庭裁判所の許可が必要という風にすれば、
横領などの悪用は減るだろうということのようです。
う~む。不祥事を減らすという点だけ考えれば一つの方法だとは思いますが・・・。
そもそも、裁判所という最も中立であるべき国家機関が、
特定数社の信託銀行と制度的に結びついてしまって良いものでしょうか。
また、数億円も預かり資産がある場合、信託銀行の倒産リスクについてはどう考えるのでしょう。
更に、ご本人の余生を充実したものにするために、禁治産制度から成年後見制度に移行したのに、
財産を銀行に預けるという形で体よく取り上げてしまう点で、法改正前に逆戻りするのではないか?
といった批判も聞かれるところです。
なかなか難しいところです。
みなさんは、どう思われますか?

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コメント

ひどい不祥事の報道です。信託銀行を利用しようという試みが進むかも知れません。
【立場悪用し8500万横領、元弁護士ら逮捕】
 成年後見人として管理していた高齢女性の不動産売却代金を着服したとして、警視庁は16日、元弁護士・柴田敏之容疑者(75)(東京都中野区中央)と柴田容疑者の法律事務所の元事務員・宮城淳一容疑者(54)(千代田区三番町)を業務上横領容疑で逮捕した。
発表によると、柴田容疑者らは2008年4月、成年後見人を務めていた渋谷区の女性(当時97歳)らが所有していた土地とビルの売却代金の一部約8500万円を着服した疑い。2人とも容疑を認めており、横領した金は柴田容疑者の法律事務所が抱えていた借金の返済などに充てられていたという。柴田容疑者は08年2月、東京家裁から女性の成年後見人に選任され、その後、この土地とビルを計約15億円で売却した。同庁は、柴田容疑者らがこの他にも、売却代金から約3億円を着服した疑いがあるとみて調べている。(2011年11月16日20時12分 読売新聞)

投稿: 弁護士村井潤 | 2011年11月23日 (水) 01:36

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