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2012年5月 8日 (火)

読書日記~特に裁判の公開、報道の自由に寄せて

この連休、幸徳秋水事件(いわゆる大逆事件)を扱った
田中伸尚氏の著作(岩波書店)を読みました。
戦前、幸徳秋水ら大勢の社会主義者・無政府主義者が
死刑とされたこの事件、歴史上の出来事としては有名です。
近時の研究の進展に伴い、冤罪だと指摘する声が高まっています。
例えば日弁連は昨年会長談話を発表しています。日弁連サイト
この本は、冤罪説に徹底して立つもので、
そこは評価が分かれうるかも知れません。
また、私自身は保守的な人間ですので、
幸徳秋水らとは、思想的にも全く異なります。

ただ、当時も今も、冤罪を生む温床が、
捜査当局による強引な供述の獲得と供述調書にあることなど、
今の時代にも十分通用する教訓を我々に与えてくれます。
特に、私は、
この裁判が、一審制(大審院特別刑事部)であり、
非公開とされ、弁護人側が申請した一切の証人の採用がなされず、
1ヶ月ほどの審理をしただけで20数名に死刑判決を下し、
死刑判決後、1週間ばかりの間に速やかに刑が執行されていることに
戦慄を覚えました(12名は特赦)。
被告人が、弁護人が、何を叫ぼうと、どんなに叫ぼうと、
裁判を非公開とされてしまっては、黙殺することが出来てしまう・・・。
「裁判の公開」ということがどれだけ大切か、歴史が教えてくれています。
無実の人を処罰することを防ぎ、権力の暴走を防ぐ。
国家のため、国民のため、あらゆる人のために必要なことでしょう。
司法関係者、裁判官、検察官、
そしてとりわけ弁護士の職責が重大であることは言うまでもありません。
そして、更に、マスコミ~司法記者達に委ねられた職責は、とても大きいのです。
健全な弁護活動・法廷活動と、批判精神に溢れた健全なジャーナリズムの大切さ。
そんなことを考えさせられました。


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