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2012年7月19日 (木)

遂に刑事告訴!~大津中2自殺事件・父親が同級生3人を

リンク: 【中2自殺】父親が滋賀県警に同級生3人を刑事告訴(1/2ページ) - MSN産経west.

今朝(7/19)の新聞報道によれば、
加害者と思われる同級生を、ご遺族が刑事告訴なさったとのこと。
最愛のお子様を失ったご遺族の行動として、当然のことと思います。

報道によれば、ご遺族と警察とは、
どうやら従前、被害相談を行い、被害届を出す出さないというあたりで
とまってしまっていた様子です。
では、被害相談と、告訴はどう違うのでしょう。

刑事事件における「告訴」(刑事訴訟法230条~)とは、
告訴権者から捜査機関に対し、
「犯罪事実を申告して、犯人の処罰を求める意思表示」です。
被害相談や被害届との違いは、まず、その内容において、
告訴は、
1)どういうことが行われてそれが何罪に当たるというような、「犯罪事実の申告」があること
2)犯人の「処罰を求める意思表示」をすること
という点で大きく性格が異なります。

また、刑事訴訟法上、ひとたび告訴を行えば、
告訴を受けた司法警察員(ここでは警察官とご理解下さい)は、
関係書類や証拠物を速やかに検察官に送付しなければなりません(刑事訴訟法242条)。
また、刑事裁判を起こすかどうかにおいても、
検察官は、起訴・不起訴の通知を、告訴人に対して行う(刑事訴訟法260条)
更に、不起訴とした場合には、告訴人に対して、
不起訴理由を告げなければならないとされています(同法261条)

告訴は口頭で行うことができるとされています。
刑事訴訟法241条は第1項で
「告訴または告発は、書面又は口頭で検察官又は司法警察員にこれをしなければならない。」
と規定し、同第2項では、
「検察官又は司法警察員は、口頭による告訴又は告発を受けたときは調書を作らなければならない。」
と規定しています。
つまり、必ずしも「告訴状」という様な書面を作成して持参する必要はないのです。
今回は、口頭での告訴に対し、県警が調書を作成して受理した様子。
上記の刑事訴訟法241条第2項の規定に基づく適法な受理手続です。

しかし、実は、実務上は、口頭での告訴を受け付けてもらえることは、
とても珍しいことだというのが私の感覚です。
今回は、口頭での告訴を県警は受理しました。
従前、所轄の大津署が被害届の受理を3度拒んだという報道大津署被害届け受理拒絶 がなされ、警察に対する世間の風当たりが強まったこともあっての、
県警としての方針転換なのかも知れません。

さて、これから、
刑事告訴を受けて、どのように事態が推移するのでしょう。
大津市長が明言しておられる外部委員会と、警察など捜査機関との活動の関係はどうなるのか、
など、注目していきたいと思います。
刑事事件の捜査には密行生の原則があります。
これから立ち上がる外部委員会の委員に対しても、
恐らく準公務員的立場として、
国家公務員法に準じた厳しい守秘義務が課せられるでしょう。
しかし、何とか、一定の範囲では協力し合える関係を築いて頂ければ、
そのような仕組み(司直との協力)を視野に入れて、外部委員会を発足させて頂ければと願います。

調査対象と内容の面では、
個人的には、外部委員会には、是非とも、
告訴対象者3名についてはもちろんですが、
それ以外の大人達、教育行政の闇に切り込む調査を行って欲しいと思います。
民事訴訟の進行との関連は、本当に困難で悩ましい問題だと思います。
ひょっとしたら、民事訴訟は、刑事事件、外部委員会の調査結果をみた上で、
・・・ということになってしまうかも知れません。

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