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2012年7月 8日 (日)

刑事罰の適用は? ~大津中2自殺事件~

リンク: 【中2自殺】「暴力・いじめ」証言227件 「家族全員死ね」と生々しい記述も 大津市教委の生徒アンケート(1/2ページ) - MSN産経west.

上記の報道など、次次にショッキングな実態が判明し、愕然とします。
報道のみに基づいて刑事責任を云々することは憚られますが、
ここまで酷い事態が明らかになって来た以上、少しだけご容赦下さい。

集団によるいじめ、村八分については、まず、「脅迫罪」の適用が検討されます。
しかし、今回の事件は、集団による暴行、リンチというもののようです。
とすれば、「暴行罪」、「傷害罪」の適用が検討されます。

そして、死亡との間に因果関係があると判断された場合には、
「傷害致死罪」の適用が検討されることになります。
加害者たちが、被害者の死亡に対して、その危険性をかなりの程度で予測していたとすれば・・・
「殺人罪」が検討されることになります。

ここで、問題になるのが、「刑事責任能力」です。
刑法41条は「14歳に満たない者の行為は、罰しない」と規定し、
刑事未成年者である触法少年を処罰対象から除外しているのです。
中学2年生といえば、ちょうど、この14歳前後・・・。
何ともいいようのない嫌な感覚に襲われてしまいます。

もちろん、触法少年についても、
一定の場合に、送致を受けた家庭裁判所は、保護処分に付する審判
~少年院など施設入所処分や、保護観察処分~
を下すことは出来ます。

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コメント

警察に相談すれば「被害者がいないから刑事事件として立件するのは難しい」ということになり、
民事訴訟を起こすれぼ「いじめのあった日時・場所などを立証しろ」となる……。
このようなケースで社会的正義を実現するためには、
どのような“工夫”の可能性があるのでしょうか。

投稿: ひら | 2012年7月 8日 (日) 22:51

刑事告訴が出来るものの範囲について、刑事訴訟法は、
被害者(刑訴法230条)被害者の法定代理人(刑訴法231条1項)のほか、
「被害者が死亡したときは」「その配偶者、直系の親族又は兄弟姉妹」(刑訴法231条2項)も告訴できると定めています。
従って、被害者が亡くなっておられることは、立件に向けての法律上の障害ではないのです。…ご指摘の報道は、「被害者から話が聞けないから真相解明が難しい」という意味(被害届を受理しなかった警察の言い分)と思われます。
そして、真相解明のためには…
やはり、私は、新大津市長が設置を表明した外部委員会による積極的な調査に期待したいと思います。

投稿: 村井潤 | 2012年7月 9日 (月) 07:48

ご説明有難うございます。

内容を知るにつれ、考えずにはいられない怒りと悲しみが容赦なく表れます。

一刻も早い真相解明と、
被害者でも被害者の関係者でもありませんが、本加害者達には少年院など施設入所処分、その親達には社会的制裁を望みますね。

上とは関係ありませんが、村井先生 これをご存じですか。
http://www.youtube.com/watch?v=YA2oW5CuyWg

投稿: 有働 | 2012年7月14日 (土) 20:24

有働様 コメントを有り難うございます。お教え頂いた動画集、拝見したいと思います。
私も、この件の「真相解明」と「応報」は当然なされるべきと考えます。
その上で、
①教育行政のあり方と
②触法少年の扱いについて、
国民全員で、しっかり議論していかなければと感じています。

投稿: 村井潤 | 2012年7月15日 (日) 09:52

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