« いじめ相談窓口~大阪弁護士会も対応強化~ | トップページ | 正義について ~日本人として~ »

2012年8月 9日 (木)

那智の滝クライマーと「礼拝所不敬罪」の成否

リンク: 「こんな大ごとに…」 那智の滝登ったクライマーら3人書類送検 礼拝所不敬容疑 - MSN産経ニュース.

以前、私のブログでも取り上げました那智の滝登山事件
軽犯罪法の威力~那智の滝登った容疑で逮捕・著名クライマーら3人
についての続報です。
「和歌山県警新宮署は9日、3人を礼拝所不敬容疑などで
和歌山地検新宮支部に書類送検した。」との記事。
どうやら、当初報道された軽犯罪法違反に加えて、
礼拝所不敬罪(刑法188条)にも該当する容疑という法律構成を追加したようです。

この件が報道された際に、世の中から沸き起こった
「軽犯罪法で対処するとは軽すぎる!」という声に
影響を受けたのかも知れません。

刑法第188条第1項(いわゆる礼拝所不敬罪)は、
「神伺、仏堂、墓所その他の礼拝所に対し、公然と不敬な行為をした者は
6月以下の懲役若しくは禁固又は10万円以下の罰金に処する。」
と規定しています。

この罪に当たるとすれば、刑罰の重さも軽犯罪法(拘留又は科料)とは
全く異なる重いものになる訳です。

では、那智の滝でロッククライミングをしたという件の行為は、
礼拝所不敬罪にあたるでしょうか。
もちろんこれから検察庁(起訴されれば裁判所)において
慎重に議論がなされるのですが、
ポイントは、
行為の客体(那智の滝)が、
「神伺、仏堂、墓所その他の礼拝所」と言えるかどうかにあるように思います。

「神伺(しんし)」とは、「神を祭った建物。神のやしろ。ほこら。」
(精選版日本国語大辞典・小学館)です。
建物であることが前提となっているように言葉の上からは読めます。
「仏堂、墓所」も、那智の滝からは、少し遠い気がします。

そこで最後に検討されるのが、那智の滝が、
「その他の礼拝所」に該るかどうかです。
確かに、礼拝「堂」であれば建物が前提ですが、
刑法典は、礼拝「堂」ではなく礼拝「所」と規定しています。
(現場の状況の把握をすることは大前提ですが、)
法解釈としては、このあたりに糸口がありそうです。

|

« いじめ相談窓口~大阪弁護士会も対応強化~ | トップページ | 正義について ~日本人として~ »

弁護士・法律」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/89445/55385394

この記事へのトラックバック一覧です: 那智の滝クライマーと「礼拝所不敬罪」の成否:

« いじめ相談窓口~大阪弁護士会も対応強化~ | トップページ | 正義について ~日本人として~ »