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2012年6月3日 - 2012年6月9日の4件の記事

2012年6月 9日 (土)

私の意見:民法改正に向けて~人間は2つに分けられない~

現在、我が国の「民法」の改正について、
法務省・法制審議会で議論がされています。
今日は、近弁連・大阪弁護士会から世に出した書籍
(私は出版事務局長をさせて頂きました)
中小事業者の保護と消費者法(民事法研究会)書籍のご紹介
が民法改正のあり方に影響を及ぼす内容だと言うことで、
ある場所でお話をさせて頂きました。

上記書籍で取り上げた被害者達は、
みな、純然たる「消費者」ではありません。
個人事業主であったり、地主であったり、
フランチャイズ店の経営者であったりします。
ところが、民法改正の議論の一部に、
民法の中に、人間を「消費者」と「事業者」と2つに区別してしまう規定を
盛り込もうと言わんばかりの議論があるようなのです。
提携リーストラブルの被害者は、中小事業者ばかりです。
民法改正が「消費者」「事業者」完全2分論で行われてしまえば、・・・。

日本社会のかなりの割合の人達が、中小事業者です。
このような視点が見落とされることの無いよう、切に願います。

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2012年6月 7日 (木)

歴史に学ぶ ~神風特攻隊の誕生とレイテ湾海戦 ~

ふとしたきっかけで、
特攻の真意(神立尚紀著・文藝春秋刊)
という書籍を読みました。
以下の史実は、同書の記述に基づきます。

戦争末期、日本軍は、次次と特攻隊を編成し玉砕戦法をとります。

*特攻の始まり
レイテ湾での最後の海戦に備え、
そのために敵航空母艦の甲板を1週間程度使用不能に出来ればよいとして、
零戦による体当たり攻撃~いわゆる神風特攻隊~は、
最初、編成されました。
フィリピン戦を、特攻までして戦い抜けば、
フィリピンを最後に講和のご聖断が下る。
特攻を指揮した大西中将はそう期待したのだと同書は言います。

そして、当初から、神風特攻隊は、
1人1人の若きパイロットの命の犠牲の上に、
かなりの戦果をあげたそうです。

しかし、何と、レイテ湾突入の艦隊(栗田艦隊)は、
レイテ湾決戦を前にして、別方面に舵を切ってしまいます。

そして、神風特攻自体はかなりの戦果をあげたことから、
その後の沖縄戦、そして、終戦に至るまで継続されます。

*レイテ海戦を控えての、それぞれにとって謎の別行動。
そこには、敵軍、自軍それぞれについての情報伝達の誤りと遅れ、
そして、日本軍海軍内部での指揮系統のかなりの混乱があったようです。
「空地分離」とされたこの時期、指揮系統の混乱に加え、
特設飛行隊には人事権がなく、
特攻隊員に俸給も支払われないことも頻繁に生じたそうです。

*指揮系統の混乱。情報の混乱。
その結果、どのようなむごいことが起きるか。
無駄などという言葉では決してすませられない、
ひどい間違い、ひどい結果がもたらされるか。
上記の史実は、
あらゆる組織のガバナンスを考える上で、
私たちに重い重い教訓を残してくれている様に思えるのです。

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2012年6月 6日 (水)

読書日記 ~ 「トッカン」 税の話 国税徴収法 ~

新聞記事をきっかけに、新聞記事
今話題の「トッカン」(高殿円著・ハヤカワ文庫)を読んでみました。

読み物として、とても面白かったです。
井上真央さん主演でドラマ化日テレもされるとのことですね。

私が弁護士になって最も驚いたことの一つに、
税務調査のあまりに強力であることと、
税務徴収のあまりに強固なことがありました。
「国税徴収法」という、この書籍の登場人物をして
「日本最強の法律」と言わしめる法律がなせる技なのですが、
犯罪捜査において警察権力ですら裁判所の令状を取らなければ
できないようなことを、国税当局は、平然とやってのけ、
また、逆に、現場では、~滞納処分の停止~など、
人情味のある温情采配が行われていることの紹介もなされています。

あくどく稼ぎ遊び暮らす脱税犯の隠し財産を、
あっと驚くような手法で差し押さえ、支払わせる手際の良さには、
心から拍手喝さいです。

そして・・・
本当に、仕事に生活に行き詰って納税できない人たちの存在。

企業や個人のバランスシートが痛んできた場合、
私たち弁護士がしてさし上げられることは負債の軽減です。
最もドラスティックな負債整理の手段としては、破産手続があります。
しかし、破産しても、
税金は免責(つまり借金棒引き)の対象外とされているのです。
この本に出てくる、何度も破産を繰り返しながら
赤字経営を続けながら、消費税を滞納し、
健康保険料も払えずに自殺をはかるご夫婦・・・
税務署からの督促に苦しむ町工場は、下町の現実の姿です。

この本で紹介されているような、血の通った国税徴収が行われることを
(行われていることを)切に願います。

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2012年6月 3日 (日)

史実に学ぶ・神風特攻隊編成に至るまで~危険な組織の意思決定~

ふとしたきっかけで、
「特攻の真意」神立尚紀・著(文藝春秋刊)
という書物を読みました。

豊富な資料と取材に基づいて記載されたこの書物、
様々な教訓を読み取ることが出来るように思います。

例えば・・・
名ゼロ戦乗りにして元神風特攻隊員の独白部分。
「連合艦隊司令長官・山本五十六大将は、
近衛文麿首相に戦争の見通しを聞かれたとき、
「ぜひやれと言われれば1年や1年半は存分に暴れてみせます」
と答えたと伝えられている。
なぜそこで、「戦争はできません」と
はっきり言えなかったのか。

更に、同じく独白部分・・・
昭和18年にロッキードP-38ライトニング(アメリカの新型戦闘機)
と遭遇したとき、性能面でゼロ戦に勝ると見抜いた隊員は、
このことを「所見」として敵機とゼロ戦との性能比較を司令部に提出します。
ところが、司令部からは、
「今までどこからも『ゼロ戦に勝る戦闘機がある』という報告は無い。」
「貴様は意気地がない。」と
けんもほろろな扱いを受けたと。

自由闊達にものが言える雰囲気。
現場の声を遮らない工夫。
我々は、このことに、常に心がける必要があります。
そして、単に心がけるだけではなく、
制度的、組織的にも、
自由な意見表明や現場の声を遮らない
工夫や制度設計が必要なのです。

企業や組織における適正な意思決定を確保する上で、
考え込まされる、(あまりに重い)エピソードと思い、ご紹介する次第です。

なお、上記書籍のテーマのついては、そのあまりの重さゆえ、
ここでは立ち入りませんことをお許し頂ければと思います。

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