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2012年9月2日 - 2012年9月8日の6件の記事

2012年9月 5日 (水)

いじめ ~文科省が打ち出した方針に思うこと~

いじめによる悲劇が続いています。
今日も、札幌でいじめが原因と思われる自殺の報道が・・・いじめで自殺か・・・札幌で中学生が飛び降り死(読売)
中1男子飛び降り死、手帳にいじめ示すメモ(朝日)

そんな中、今日(9月5日)、
文科省が、「いじめ、学校安全等に関する総合的な取組方針」なる施策を発表しました。
詳細は以下の文科省Webで確認することが出来ます。
文科省方針(文科省Web)

この新施策について、マスコミ各社の報道は、見出しからして様々です(良いことだと思います)。

TBSは、
警察との連携強化
日経は、
専門家チームを200地域に
朝日は、
「国主導で学校や教員を評価」との見出しでウェブ記事を掲載しておられたのですが、
Web版が差し替えられたようです。
現在(5日22時前)の朝日は、こちら、朝日
いじめ相談員、全公立中に 文科省方針、出席停止も活用
文部科学省は5日、いじめ問題に対する総合的な方針をまとめた。命にかかわるおそれがある案件を国に報告させ、教育委員会を指導するなど、「現場任せ」にせず、国が主導する姿勢を初めて打ち出した。いじめへの対応を学校や教員の評価に反映させる考えも示した。

読売は、
学校任せから外部人材活用へ
中国新聞は、
学校カウンセラーら増員
時事通信
専門家活用、早期対応を強化


日本は中央集権国家です。
中央の監督官庁である文部科学省が打ち出した方針が、
教育現場に与える影響は極めて大きい筈なのです。

ただ、日本の教育現場を語るとき、
今まで散々文科省と日教組が対立する図式が語られてきました。

しかし、ここまで、いじめというひどい犯罪が蔓延し、
いじめという犯罪被害者の自殺という悲劇が繰り返される中、
もう、「対立」はなしにして、「上下」もなしにして、
こころをひとつにして、問題解消に全力を尽くして頂きたい。
(文科省施策のおかしな所を前向きに指摘し、前向きに批判すべきことを批判し、
より良い方向を目指すことは当然あって然るべきですが。)

子を持つ親の1人として、心からそう願います。

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弁護士の不祥事と懲戒手続

盛岡の弁護士、4500万円横領の疑い 懲戒手続き開始 - 朝日

MSN産経の報道

岩手弁護士会は4日、盛岡市の渡辺栄子弁護士(60)が依頼人から約4500万円を横領した疑いがあり、懲戒手続きを始めたと発表した。同会の聞き取りに対し、横領の事実を認めているという。
 同会によると、岩手県内の70代男性2人から7月、「渡辺弁護士に預けた4千万円のお金が返ってこない」という相談が岩手弁護士会に寄せられた。
 同会の調査では、渡辺弁護士は男性2人から亡くなった親戚の遺言執行の委任を受けて、この親戚の預金口座を解約。2010年11月までに約1億1370万円を自分名義の普通預金口座に移し、同年12月から12年7月までに約4500万円を引き出し、私用に使っていたという。

もしこの報道が真実とすれば、
同じ弁護士として、信じられない、許せない気持ちでいっぱいになります。

弁護士は、ただの「法律に詳しい人」ではなく、
依頼者・関係者の全人生をかけたご相談事やトラブルの
解決を(法律に則って)図るのが仕事です。
全人生をかけるに足りる、「信用」が命なのです。
たとえどのような事情があったとしても、
人様のお金を横領など・・・、全く以て言語道断です。

弁護士は、国家によって行われた、あるいは国家から放置された
ひどい事柄(人権侵害)の救済も担うため、
弁護士資格云々について、国家の監督を受けないことになっています。
弁護士自治といわれるものです。
つまり、弁護士の資格を奪うためには、
弁護士会の懲戒手続による必要があります。

この懲戒手続は、あまり知られていないことですが、
近時、めざましい改革がなされ、かなりの割合・人数の
弁護士ではない方々~外部委員と弁護士会側は呼ぶようです~
裁判官・検察官・研究者などが参加して下さっています。
「弁護士だけでうちわでかばい合う」ことを防いでいる訳です。

懲戒相当事由があるかどうか、・・・綱紀委員会という部門が審査します

懲戒相当事由があるとして、4つの懲戒の種類のどの処分が相当かを、懲戒委員会が決します。

因みに、弁護士法57条が規定する懲戒の種類は、以下のものです。
1)戒告
2)2年以内の業務停止
3)退会命令
4)除名

あってはならない不祥事です。
しかし、とても残念なことに、最近、弁護士の不祥事が目につくように思います。

不幸にして上記報道のような不祥事が起きてしまったら、
そのときこそ、弁護士は、弁護士会は、
自らに厳しく自浄能力を発揮しなければならないのです。


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2012年9月 2日 (日)

消費者契約法の「わな」  あるいは、過酷な副作用

提携リーストラブルの救済と予防に向けて、あれこれと動いていて、
私なりに、見えてきたことについて書こうと思います。

「ファイナンス・リース」が、金融秩序の規制をスルーするために発達し、
税務規制、会計規制を上手に乗り切るために発達した制度であることは、
良く知られているところ。

平成期の電話リース被害の爆発は、「通信自由化」という形での「規制緩和」によって、
競争をせざるを得なくなったNTTら通信事業者による競争意識と、
通信手段の多様化により、「ものの値段がわかりにくくなった」ことが
背景にあることも間違いのないところです。
最近流行のいわゆるホームページリースも、インターネットの発達を促す
通信自由化・規制緩和が背景になることは、誰しもが認めるところでしょう。

そこまでは、背景事情としての規制緩和(規制逃れ)のお話です。

では、被害者となった「お店屋さん」「職人さん」「町工場さん」たちを保護するために
提携リースに対する法規制を!と声を上げたときに、
必ずと言って良いほど持ち出されるのが、「消費者事業者2分論」なのです。
~いかに零細でも、たとえ高齢であっても、「事業者」である以上、
消費者に類するような保護を与えることは出来ない、との理屈です~
被害救済訴訟で、業者側が必ず主張される
「事業者間取引なのだから対等だ」「契約書に判子を押したではないか」等々のご主張も、
要は、如何に零細であっても事業を営む限りは、騙される方が悪いのだ。そういう議論です。
そして、「消費者事業者2分論」を規定した「消費者契約法」が、
規制緩和論の流れの中で制定されたことは既にこのブログでもご紹介しました。

人間を2つにわけてしまい、「消費者」を狭く捉え、零細事業者を弱肉強食の世界に落とす。
規制緩和論の目指す世界観は、そんなに貧しいものなのでしょうか。

近年盛んに行われてきた規制緩和の議論・・・
政府で行われてきた規制改革会議は、平成22年3月31日をもって終了しています。
内閣府、規制改革会議
内閣府の行政刷新会議
内閣府 行政刷新会議HP
が議論を引き継ぐ形を取っているようです。

この、大本、源流の部分がどのような仕組みで動いているのか。
注目して行きたいと思います。

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【いじめ対策は進んだのか】~新学期を迎えるにあたって

大津中2いじめ自殺事件を契機に火を噴いた
いじめ問題と教育行政の対応力のなさについて、
2学期が始まるまでに、少しでも対策を進めるべき。
このブログでも、たびたび警鐘を鳴らしてきました。
ここでは最近の報道を振り返りたいと思います。

大分中2骨折、同級生側と校長がいじめ認め謝罪

校長らにいじめ特化の研修・・・島根

いじめ対策、鳥取県と県教委が連携

いじめ対応の手引作成…東京・武蔵村山市教委

いじめ対応にサポート班…東京・町田市教委

小中にいじめ対策担当者…大津市の全55校

さざ波のような小さな動きですが、少しずつではあっても、
動きはじめていることを感じることが出来るように思います。
いじめ防止に向けたこの流れ、この動きが広がっていくように、
注目し続けたいと思います。

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司法研修所卒業20年の同窓会に参加しました。

昨日は、司法研修所卒業20年の同窓会が京都で行われ、参加してきました。
全国から、同期の弁護士、裁判官、検察官、そして研修所の教官を務めて下さった大先輩方が集い、
このときばかりは「同期の仲間」として歓談です。

私が司法試験に合格した平成2年(1990年)は、
世間的には、大蔵省銀行局長通達で不動産融資総量規制が指示され、
バブル経済の崩壊が開始した年です。

そして、奇しくも、司法試験が、年間500人しか合格者を出さず、
世界で一番難しい、ばくちに人生をかけるようなものなどと揶揄された時代も、
私が合格した年が最後。
翌年の合格者から、600人、700人、~と増えていきました。
やがて規制緩和論の大合唱となり、
後の「司法改革」での弁護士大増員に結びついていきます。

「司法改革」のあおりで、
ロー・スクールが法曹養成の一翼を担うこととされ、
研修所教育も、最近随分変わってしまったようです。
ロー・スクール教育にも問題が多いとされているようです。
法律家の卵の質が低下しているという指摘が、最高裁からなされたこともありました。

私が受けさせていただいた研修所教育は、
裁判官にも、検察官にも、弁護士にもなれるように、
2年間かけて、みっちりと厳しく叩き込んでいただきました。
2年も同じかまのメシを食べた仲間です。まさに「同期の桜」です。
私自身、「裁判官になれ。検事になったらどうだ。」という有り難いお誘いに大いに悩んだ末、
やはりここは初志貫徹で弁護士になりますと頭を下げて、弁護士への道を進みました。
これは私だけの話ではなく、当時の研修所教育のもとでは、皆、そういう時代だったのです。

しかし、裁判官にも検察官にも弁護士にもなれるように鍛え上げる研修は、
今では行われていないようで、
そういう意味でも、本当に有り難い研修だったと思います。
裁判官、検察官、弁護士は、もちろん、仕事の中身が違います。
法廷で座る場所が異なりますし、果たす役割も違います。
ただ、法廷で壇上に座っている裁判官が何を欲しているのか?
法廷で向かい合って激論を交わしている検察官が、何をしようとしているのか?
それがわからなければ、良い弁護活動が出来るはずがないのです。
法廷で、法曹三者(裁判官・検察官・弁護士をあわせてこう呼びます)の
共通言語がなくなってしまい困る。そういう声を聞くこともよくあります。

規制緩和論の大合唱のもと、
「事前規制から事後調整へ」というスローガンに基づいて
推し進められた様々な政策。
司法改革も、消費者契約法の制定も、
大きな流れとしては同じ流れの中で為されました。
その光と影について、これからも見据えて行きたいと思います。

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消費者vs.事業者2分論がもたらすもの ~社会の姿・街の姿~

保護すべき「消費者」概念を消費行動を行う個人に限定し、
それ以外のお店屋さんや職人さん、町工場さんの営みを
ことごとく「事業者間取引」(Business対Businessという意味で、BtoBなどと言われますね)
として、私的自治、契約自由の領域の問題とする。

これが消費者契約法の描くデザインです。

割賦販売法や特定商取引法(従来の訪問販売法)には、
消費者vs.事業者という対立構造はないのですが、
「営業のために、営業として締結する契約のは適用しない」
という適用除外規定があり、「事業者には適用しない」という意味に
理解されてしまっています(解釈論として不正確ですが)。

どんなに零細なお店屋さんや町工場が悪質業者に騙されても、
B to B の対等な関係なのだから保護しない。
弱肉強食の世界で生き残れるのは、強いものだけ。

どんどんお店屋さんがなくなっていく。町工場がなくなっていく。
経済面での苦境から廃業する場合だけではなく、
「騙されて」要らぬ負債を負わされたことが致命傷になる。
大企業が経営する巨大ショッピングモールと、巨大工場だけの国。
グローバル経済のもとでは、それすら残らないかもしれません。
家電業界の苦境を見ると、日本に「巨大工場」は残らないでしょうね・・・。

経済のグローバル化の中で、
規制緩和論の急流に押し流されるように立法された
「消費者契約法」がもたらす(あるいはだめ押しをする)
日本社会の姿は、このようなものです。

このような姿(現実にかなり具体化しています)を素晴らしい社会と感じ、更に推し進めるか。
それとも、小規模事業者さん達、少人数で、家族や友人達で経営するお店屋さん達が
街に活気をもたらす社会を、再び目指すか。
このデザインの違い・・・
フリードマンらシカゴ学派と、エドモンドバークらに代表される保守主義の違いかも知れません。
(混同して議論されることが多い両者ですが、全く異なるものであることに留意すべきです)

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