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2013年12月17日 (火)

成年後見人の取消権はなくして良いのか? ~障がい者権利条約批准に思う~

障がい者の権利条約を日本が漸く批准しました。朝日報道

大変立派な内容の条約です。障がい者権利条約日本語仮訳
私はこの条約を批准したこと自体は良いことと思います。
条約の批准に反対するものではありません。
しかし、日本が、障がい者の権利条約を批准したことを足がかりに、
成年後見制度(法定後見)において、後見人・保佐人・場合によっては補助人がもつ
「取消権」(=本人が騙されるなどして極めて不利な、不合理な法律行為をしてしまった場合などに、後見人がこれを取り消すことができる制度です。)を撤廃すべきだとの議論が一部行われているようです。
自分の行った法律行為(例えば不要な高額マンションの購入や、金融ハイテク商品の購入、健康食品の購入)を他人が取り消すことができるというのは、条約の禁じる「差別」にあたると考えるようです。
「自己決定権の尊重」ということを貫徹し、どのような不利益取引を行ってもそれがご本人の意向だから、と、割り切るのでしょうか。
成年後見の取消権を撤廃して、消費者保護法制によって救済すれば良いとの議論もなされているようです。
しかし、日本の消費者保護法制は極めて脆弱です。
私自身、後見人や保佐人、補助人として取消権を行使し、
ご本人の窮状を脱した経験が何度かあります。
取消権の存在は、「差別」ではなく、ご本人の保護に役立っているのです。
消費者保護法制よりもはるかに強力な取消権を有することによって、
どれだけご本人を悪質商法被害などから守ることができるか。

冷静な議論を望みます。

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