カテゴリー「成年後見~高齢者・障がい者支援」の13件の記事

2013年12月17日 (火)

成年後見人の取消権はなくして良いのか? ~障がい者権利条約批准に思う~

障がい者の権利条約を日本が漸く批准しました。朝日報道

大変立派な内容の条約です。障がい者権利条約日本語仮訳
私はこの条約を批准したこと自体は良いことと思います。
条約の批准に反対するものではありません。
しかし、日本が、障がい者の権利条約を批准したことを足がかりに、
成年後見制度(法定後見)において、後見人・保佐人・場合によっては補助人がもつ
「取消権」(=本人が騙されるなどして極めて不利な、不合理な法律行為をしてしまった場合などに、後見人がこれを取り消すことができる制度です。)を撤廃すべきだとの議論が一部行われているようです。
自分の行った法律行為(例えば不要な高額マンションの購入や、金融ハイテク商品の購入、健康食品の購入)を他人が取り消すことができるというのは、条約の禁じる「差別」にあたると考えるようです。
「自己決定権の尊重」ということを貫徹し、どのような不利益取引を行ってもそれがご本人の意向だから、と、割り切るのでしょうか。
成年後見の取消権を撤廃して、消費者保護法制によって救済すれば良いとの議論もなされているようです。
しかし、日本の消費者保護法制は極めて脆弱です。
私自身、後見人や保佐人、補助人として取消権を行使し、
ご本人の窮状を脱した経験が何度かあります。
取消権の存在は、「差別」ではなく、ご本人の保護に役立っているのです。
消費者保護法制よりもはるかに強力な取消権を有することによって、
どれだけご本人を悪質商法被害などから守ることができるか。

冷静な議論を望みます。

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2013年7月 2日 (火)

高齢者・障がい者総合支援センターのお仕事

大阪弁護士会では、高齢者・障がい者総合支援センターを設けて、

ご高齢の方、障がいをお持ちの方からの
週に3日の無料電話相談、
成年後見申立の支援などなど、
様々な取組を行っています。
私も、制度発足以来、お手伝いをしています。
今日は、電話相談の立ち会いのお仕事。
3名の弁護士が電話相談に応じる場に立ち会って、
様々なサポート、アドバイスを行います。
皆で協力し合って電話応対の質を高めているのです。

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2013年3月15日 (金)

後見監督人に「監督義務違反」4100万円の賠償責任!

今日飛び込んできた以下のニュース・・・

成年後見人の横領見逃し「監督義務違反」弁護士に4100万円賠償責任

なかなかインパクトのある判決、インパクトのある記事です。
どうやら親族後見人が財産横領が疑われる状況で、
後見監督人に選任された弁護士が、後見人に対して、適切な監督を行わず、
結果、多額の財産横領を許してしまったケースで、
後見監督人であった弁護士に、巨額の賠償責任を認めたもののようですね。
成年後見人制度、なかでも、法定後見制度において、
後見監督人という立場は、
いつでも選任されるわけではありません。
民法849条は、
家庭裁判所は、「必要があると認めるときは(中略)後見監督人を選任することが出来る。」
と規定しているのです。
そして、後見監督人の職務は、
「後見人の事務を監督する」(民法851条1号)ことですから、
後見人が財産横領など行う恐れがあるケースで後見監督人に選任され、
何も有効な手立てを講じなかったというのであれば、
上記の大阪地裁堺支部判決の記事の結果になっても、おかしくはないのです。
我々弁護士が、後見監督人の仕事を家庭裁判所から仰せつかる場合、
多かれ少なかれ、ご親族が勤めておられる後見人業務を牽制し、
場合によっては対立することを申し上げなければならない場合も多いのです。
職務懈怠と言われることが万一にもないように、
再度、身を引き締めるとともに
後見監督人の職務に、ご理解とご容赦を頂ければと感じます。

後見監督人の責任が厳しく言われる背景には、
実は、成年後見がらみの財産横領事件が
最近頻発しているといった事情があります。

ここ数ヵ月間の記事でこれだけ・・・
異常事態と言って良いのではないでしょうか。
特に、弁護士という同業者の犯罪には、強い怒りと憤りを感じます。

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2013年3月10日 (日)

裁判例の活用方法~法廷に立つ実務家としての留意点

近時大阪弁護団が獲得したいくつかの裁判例について

リース会社に監督責任ホームページリース初の勝訴判決!

各地の様々な立場の方と、様々な議論をさせて頂きながら思うところがあり、
このブログを書かせて頂きます。

判例には、常に、
          『射程距離やいかに?』
という議論があります。
判決の結論に反対の向きは、
その判決に至った事案の特殊性を強調し、
射程距離を狭く解すべきとの議論を展開するでしょう。
逆の立場からは、逆の立論があるべきであり、
徒に謙抑的である必要はないように思われます。
また、判旨で述べる規範が、
普遍性を持つ一般的なものと理解できるものであれば、
普遍的に妥当領域を探るべきは当然と思われるのです。
例えば
・・・例としては大仰で恐縮ですが・・・
フランス人権宣言や、アメリカ独立宣言を習って、
フランスやアメリカの特殊事情に基づく宣言・・・という歴史的(大人)な解釈とは別に、
人類普遍の原理・理念に、胸を熱くされた思い出を持つ方は多いと思うのです。
法治国家において、
法解釈を宣言した裁判例の持つ意味
~普遍的意義~
を、再度、みなで思い起こしていただければ、と思うのです。
個別具体的事情をもとになされた判示であっても、
いったん判決によって定立された規範は、
普遍的・一般的価値を持つのですから。

すなわち、
法規範とは、        ・・・抽象的&一般的なものです。
裁判例による解釈基準・・・・抽象的&一般的な法規範を補充するものだからです。

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2012年10月 5日 (金)

現場主義の大切さ ~ 例えば特別養護老人ホームでの実務修習 

今日は、大阪・枚方(ひらかた)市郊外の社会福祉法人を訪問しました。
いえいえ。枚方で事件が起きたわけではありません。
弁護士会のお仕事~司法修習生の研修についての打合せです。
司法修習とは~司法試験合格後、
更に、司法研修所(司法研修所は最高裁のもとにあります)のもと、
一年間の修習を経て研修所の卒業試験に合格しなければ、
弁護士・裁判官・検察官になれない~
つまり、法律家の卵にとって、実務法曹となる上での最後の訓練です。
実務法曹として活躍する上で、書籍の知識がいくらあっても、
それだけでは決定的に足りないものがあります。そうです。「現場体験」です。
その現場体験を多方面で積んでもらおうと、
私の所属する大阪弁護士会では、修習生の選択修習プログラムとして、
老人福祉施設、障害者福祉施設、児童福祉施設に出向いての研修を行っているのです。
まさに、「百聞は一見にしかず。」です。
福祉の現場がどのような状態か。
福祉施設で何が行われているか。
見て、聞いて、感じたことが、
その後の実務法曹としての活動のバックボーンになるのです。
例えば、社会福祉士さん、ケアマネージャーさんとの連携、
成年後見についての相談事。
福祉施設の建築計画に関与することもあるでしょう。
様々な場面で、「現場では何が行われているのか?」
知っている、想像が出来るものとそうでないものとでは、
実務法曹としての判断の適切さに、差が生じうる。
私はそう考えています。

ここ数年、毎年1度は大阪府下各地の高齢者障害者施設を訪問していると、
各地域のお国柄や、それぞれの施設の特徴がわかるように思えて、
私自身もとても勉強させて頂いています。

今日訪問させていただいた施設も、とてもしっかりしておられ、
修習生は充実した研修を受けさせてもらえることを確信しました。

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2012年10月 3日 (水)

電話法律相談のバックアップ~高齢者障がい者支援~

私の所属する大阪弁護士会の委員会である
高齢者障がい者総合支援センター(愛称「ひまわり」)では、
10数年前に委員会発足以来、ご高齢の方、身体障がい、精神障がい、
知的障がいなど障がいをお持ちの方について、無料での電話相談を行って来ました。

制度発足当初は、珍しがられ、また、一部から反発も受けたとも聞く
この無料電話相談も、10数年の歳月を経て、しっかり定着した様子です。
近年、週2日から週3日に相談日も増えたところです。
この高齢者・障がい者無料電話相談、
弁護士会の一室に担当者数名が集まって電話をお受けするのですが、
私自身は、最近は、ひまわり運営委員として、
電話を受けてくれる弁護士のバックアップ業務を行うことが多くなってきました。
バックアップというのは、
まず、電話を受ける弁護士の力量にばらつきがあるので、そのばらつきを
「均す」(上質なものに均す必要があります)意味があります。
また、委員会の動きとの調整をはかりながらの受け答えをしてもらう意味も。
この委員会業務、なかなか神経を使いますが、
私自身、とても得るものの多い場となっています。
大阪弁護士会の委員会ひまわりの電話相談については、
下記サイトをご覧下さい。

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2012年9月23日 (日)

見えない障害バッジ運動 ~関西でも~

以前、私のブログでもご紹介させていただきました
見えない障害ストラップ運動

見えない障害

大切なものは目に見えない

・・・について、いよいよ関西圏でも広がりが出て来た様子です。

今日、産経新聞Web版の大阪本社作成分を「WEST」として掲載するコーナーに
記事が掲載されています。
見えない障害バッジ運動~MSN産経WEST~

<以下は上記記事からの抜粋です>
外見上は病気や障害を抱えていることが理解されにくい人を支援する「見えない障害バッジ」がインターネット上で、少しずつ広がっている。当事者のツイッターでのつぶやきがきっかけになり、昨年10月からの1年間で約1万個が配られた。バッジにはサン・テグジュペリの童話「星の王子さま」に出てくる「大切なものは目にみえない」との言葉が刻まれ、「まずは知ってほしい」との当事者の願いが込められている。
説明しても分かってもらえない…
「イメージがわかないのか、説明しても分かってもらえないことが多いです」
バッジの普及活動に携わる兵庫県尼崎市の弁護士、青木志帆さん(31)は、小児脳腫瘍の後遺症による障害を抱えている。幼いころに2回の手術を受けて腫瘍はなくなったが、後遺症で視野が狭くなり、ホルモン分泌が阻害されているため薬が切れると頻尿の症状が起こる。頭痛などもあるが、見た目には健康そうに見られてしまう。
子供のころから理解されない悩みに苦しんできた。授業中にトイレに行こうとすると先生に「何で休み時間にいかなかった」と怒られたり、体育の授業を休んだことをさぼっていると勘違いされ、「次は許さへん」とどなられたり。
 弁護士になって依頼者と話すうちに、実は内部疾患や精神疾患、発達障害など、見えない部分で困難を抱える人の多さに気付いた。「障害が理解されないことが離婚や破産の原因になったりもしている。当事者にならないと気付かないかもしれないけれど、見えない障害は、決して特別なことではないんです」
<記事抜粋終了>

これからも注目していきたい運動です。

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2012年8月29日 (水)

大切なものは目に見えない

Photo

購入させて頂きました。~見えない障害ストラップ~
私が購入したのは、啓発用です(当事者用もあるようです)。

「大切なものは目にみえない」という言葉は本当に普遍的と思います。

聞けば、現在(一時的に)受付停止中とか。
手弁当&手作業でこの運動を進めておられる方々に、心から敬意を表したいと思います。

twitterが発祥というこの運動については、以下のサイトからどうぞ。
わたしのフクシ

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2012年6月26日 (火)

後見人 ~ 成年後見について ~

成年後見制度は、
認知症のご高齢者の方や、
精神障がいをお持ちの方などを
サポートする仕組みとして、
平成12年に導入施行された制度です。

私自身は、ご依頼を頂いて後見申立をおこなったり、
自身で後見人のお仕事を仰せつかるほか、
後見業務を行うNPO法人の運営委員として、
NPO法人が関与する数多くの後見業務に
携わらせて頂いたりもしています。

後見業務を遂行する上で、最も扱いに気を遣うのは、
やはり、親族間の対立が激しい場合。
一方の親族の肩ばかり持って「偏っている!」と批判されることは、
避けなければなりません。
あくまでも「ご本人のための」後見人です。
推定相続人のための後見人では「ない」のです。
そのことを貫く他はありません。

ご相談頂くなかには、
裁判所に申し立てて後見人を付けてもらえば、
後見人をご親族自らの意向通りにコントロールできる様に思っておられる向きも・・・。
そのようなことは出来ない
~ご本人の不利益になるようなことは基本的に出来ない~
制度ですので、ご注意頂ければと思います。
様々な自己主張をして来られるご親族に対しても、
ことあるごとに、「ご本人のための」制度としての成年後見の意義、
後見人の職責について説明させて頂くことになります。

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2012年5月26日 (土)

高齢者見守りで協定 郵便事業会社とコープこうべ 兵庫・伊丹 から続々と

リンク: 高齢者見守りで協定 郵便事業会社とコープこうべ 兵庫・伊丹 - MSN産経ニュース.

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